著者の伊賀さんはコンサルティング会社、マッキンゼーのコンサルタントを経て、同社の採用マネージャーを12年務め、その後キャリアコンサルタントとして独立された方。
その伊賀さんが採用基準ということで、マッキンゼーが欲しい人材像について書いた本。副題は地頭より論理的思考力より大切なもの。
以前地頭力などの本が流行ったこともあり、外資系コンサルファームというとケース面接などで地頭や論理的思考力を重視する選考となると思われがちだが、それにもまして重要なものがある、というのがメインストーリーであり、
種明かしをすると、その最も重要な要素とは、リーダーシップ・ポテンシャルなのだそうだ。
伊賀さんによると、マッキンゼーの採用基準は、
- リーダーシップがあること
- 地頭がいいこと
- 英語ができること
加えて、現地の採用の場合、現地語が話せること、であるそうだ。
日本の”優秀な人”は2(と4)しか持たない場合が多い、とのこと。
地頭はもちろん良いに越したことはないが、コンサルティングビジネスが人間相手のサービス業であり、クライアントに信頼される人間性や粘り強さ、リーダーシップなど様々な資質が必要である、と説かれている。
(加えて、思考力が重要だが、思考のスキルだけではなくて、思考意欲や思考体力も重要であると、書かれてもいた。)
この他本書ではマッキンゼーを題材にしつつ、
- リーダーとは何か?
- リーダーが行うべきこととは?
- リーダーシップは後天的に身に着けることができるのか?どう身に着けるのか?
- 日本社会においてリーダーシップの総量が足りていない理由は?欧米との違いは?
- リーダーシップが取れるようになると、人生がコントロールできるようになる
等々について書かれている。
読んでみて、現在海外とのビジネスにも携わっているので、これからの日本でも企業人として活躍しようと思えば、グローバルリーダーシップがますます求めるられるようになるということや、リーダーシップスキルを身に着けると自分の世界観を実現できるようになる、という部分が心に響いた。
また、これは誤解していたのだが、1チームにリーダー1人ではなく、経験者が複数人いた方が強いチームが作れる、という部分も自分にとっては響く記述だった。
これから仕事でリーダーシップをとる能力を今まで以上に意識して開発するようにしたいと思った次第。(英語もそうでした・・・w)
なかなか骨太のいい本。折に触れて読み返したい。
(本日の一文)P238
リーダーシップを持った人は、大樹に頼らなくても自分の力で状況を変えていけると考え始めます。自分で人生を切り開いていけるという自信が、社会の規範から逃れた自由な発想につながり、守られた場所からでていくことを、リスクだと感じなくなるのです。
採用基準目次
序章 マッキンゼーの採用マネジャーとして
第1章 誤解される採用基準
第2章 採用したいのは将来のリーダー
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
第6章 リーダー不足に関する認識不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
参考リンク:
当ブログで取り上げたマッキンゼーOBが書いた本↓
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