はじめに
転職はサラリーマンにとって人生の大きな岐路であり、失敗は避けたいものです。転職前には十分な情報収集を行うと思いますが、どうしても成功例に注目しがちです。
今回ご紹介する私の失敗例を反面教師として、転職を検討されている方々の一助になればと思います。
私の転職失敗談
私はこの夏、100名規模の農薬メーカーから40名弱の特許事務所へ転職しました。弁理士らが働く特許事務所の仕事に興味と憧れを持ったからです。
4月の初めに転職エージェントへ相談に行き、2箇所の特許事務所で書類選考、面接へと進み、1週間〜10日前後で転職先が決まりました。
転職の結果は、仕事への意欲や能力不足を理由として契約期間を更新しない、つまり1ヶ月での解雇という散々なものでした。恥ずかしながら、失敗の要因を挙げてきたいと思います。
ミスマッチな転職であったこと
育成体制や労働時間に関して、雇用者側と私との間で大きく乖離がありました。
まず、育成体制についてです。私の就業した「特許技術者」という職種は、一般的に、一人前になるのに2、3年かかると言われています。
しかし、私の場合は6ヶ月程度で一人前になって欲しかったそうです。
つまり、着実に実績を積みたい私のプランと、突貫工事で売りを立てれる人材を育成したい雇用者側のプランとのギャップが大きかったと言えます。
また、労働時間については、弁理士試験の勉強時間を確保したいという理由で、必要な業務が終われば早く切り上げたいと就業前から話していました。
一方、事務所側では仕事をどんどん振りたいため、残業してでも多くの仕事をこなす人材を望んでいました。
ここでも、雇用者側と私との間で意識のギャップがあったと言えます。
転職のリスクを抱えすぎてしまったこと
転職先で人間関係がうまくいくのか、スキルや経験は通用するのかといった転職のリスクは必ずあるものですが、それら以外のリスクはできるだけ少なくすることが重要です。
私の場合、正社員として転職が決まったものの、試用期間中の雇用形態は1ヶ月ごとに更新する契約社員でした。
これは、雇用者側のリスクを担保するための措置であり、転職者にとっては不利な契約です。
内定をもらえたことで、そのような契約を受け入れてしまったことは大きな痛手でした。
また、1ヶ月でクビになることなど想定していなかったため、目前のボーナスすら放棄して退職してしまいました。
さらに、多くの同僚や業界仲間に見送られての転職であったため、転職前の会社に離職した旨を伝えるのが恥ずかしく、失業給付申請に必要な書類が揃わなかったこともあり、解雇後の生活はかなり苦しくなりました。
転職を急いでしまったこと
転職エージェントの提示した募集要項や事務所の雰囲気などを鵜呑みにして、早々と転職先の決断をしてしまったことも問題がありました。
彼らは懇切丁寧に相談に乗ってくれる一方で、自身が利益を得るためには雇用者と転職者との契約を成立させなければなりません。
ですから、内定が決まった時点で即決することを促すのも無理はありません。
しかし、内定が出た時点で一度冷静になり、エージェント以外にも相談すべきでした。
転職先の経営基盤が安定しているのか、不安定ゆえに性急な育成体制や過剰な労働を望んでいないかなどを十分に検討し、必要であれば周囲の意見も参考にすることがミスマッチの回避に繋がります。
また、自身の抱えているリスクが多すぎると判断した場合、内定を辞退する勇気も必要です。
どうすれば失敗を回避できるのか
転職前には是非、①ミスマッチではないか、②リスクを抱えすぎていないか、③転職先を決める際に①や②に対する十分な検討ができているかを判断していただきたいと提言いたします。これらは、どんな転職にも通じるところがあると思います。
あなたの転職が素晴らしいものになることを、祈念しております。
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