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社会保険労務士が40代転職者に伝えたい、いい「辞め方」

転職時の辞め方

 

はじめに

 

40代での転職も珍しいことではなくなりました。これまでに転職経験がある人もない人も、「辞め方」で改めて注意しておいた方がよい点を社会保険労務士がいくつか紹介します。

 

辞める日の決め方

 

辞めることを決めた場合は、まずは自分で何月何日で辞めるのかを決めます。辞める日は従業員が決めるものですので会社が決めることではありません。

 

この退職希望日の多くは給与の計算期の締日(月の末日とは限らない)又は、月末にすることが多いと思います。

 

 

さて、希望する退職日を申出た後、上司(つまり会社)から希望として伝えた退職日の前倒しや月末の前日を提案してくることもよくあります。会社としては、辞める人にコストをかけたくないと思うのは普通です。

 

なぜなら、一日でも退職日を早めるとそれだけ給与、残業代、賞与、会社負担の社会保険料を減らせる可能性があるからです。

 

例えば、月末の前日に退職するとその月の社会保険料がかかりませんから、従業員の保険料天引きも一ヶ月分少なくなります。従業員は保険料がかからないならそれがいい、と安易に考えがちですが注意が必要です。従業員はその月は他の制度の保険料を負担するので、結局会社の負担だけがなくなるのです。

 

退職者の年齢が低いほど、ブラック度が高いほど、会社規模が小さいほど、このような処理がなされる傾向にあります。

 

また賞与支給に関して在籍日の要件がある場合、賞与支給前の退職日を提案されるかもしれません。しかし、これに対してもきっぱり断ることが大事です。これに応じると大きな損をします。

 

社会保険の制度上、給与計算の締日が例え月の末日以外であっても退職日は月末を選ぶことをお勧めします。さもないと、月末以外の退職は社会保険の空白期間が生まれる可能性が高くなります。少なくともその月の厚生年金は加入していないことになり、将来の年金額が減ります。さらに、賞与の支給において支給日の在籍要件がある場合は、賞与支払い月の月末付の退職がベストということになります。

 

大企業では当然のことではありますが、中小企業では会社の圧力でこうはならないこともよくあります。

 

有給休暇を取ろう

 

「辞めるときに有給休暇を取得してはいけない」という法律はありませんし、そのような規則が仮にあっても無効です。ただし、道義的に引き継ぎ業務を行う関係上(また、就業規則に引継義務を定めるものもめずらしくありませんが)、その期間を考慮して退職日を決め、適切な時期に申し入れる必要があります。

 

有給休暇を取得するのに会社の「承認」や「許可」は法律上不要です。会社には事業の正常な運営を妨げるときのみ、時季変更権を行使できますが、退職後への時季変更はし得ないとされていますので事実上拒否はできません。

 

在籍歴が5年くらい経ってくると繰越分を含めた有給休暇日数は20日以上にはなっています。それまで長期の有給休暇を取ったことのない人は、最後の月くらいはまるまる取ってもいいでしょう。

 

この場合は規則上、退職は1ヶ月前に申し出るように定められていても、有給休暇を1ヶ月分取得するなら、2ヶ月前に申し入れた方が無難ということになります。

 

上司が退職日を前倒しする、有給休暇を取らせない圧力をかけることもありますが、退職時の一括取得自体は何ら違法性がありませんので冷静に対応したいところです。

 

たまに、転職先の会社がすでに決まっている場合で、現職で有給休暇を取らないで、次の会社の入社時期を故意に後ろにずらしてその間に空白を作って自分自身の「休暇」と称してバカンスを取る人がいますが、これはお勧めしません。

 

厚生年金の加入期間が減りますし、社会保険の必要な手続きをしっかりしておかないと年金や健康保険で不利な状況が生まれる可能性がありますので注意が必要です。

 

辞めた後に必要となるお金

 

次に、転職先が決まっていない状態で辞めることを想定している場合に気をつけないといけないのが、辞めるときやその後に必要になるお金です。

 

会社を辞めた後には通常の生活費の他に継続的にかかるものがあります。その費用に対してしっかり備えておく必要があります。

 

まずは、辞める時期にもよりますが、毎月天引きされている住民税は退職時には、最後の給与から一括で差し引かれるか退職後に一括または分割で直接納める必要があります。しかもこれは昨年度分の住民税です。翌年度にはまた前職在職時の給与収入等の額により住民税が課せられることに注意が必要です。つまり住民税の額として一年分程度は支払えるようにしておかなければなりません。

 

次に社会保険ですが、会社員でなくなると国民年金に加入します。国民年金保険料も一年分程度前もって蓄えておきたいところです。健康保険料は退職後も同じ保険に入り続ける「任意継続」を利用したとしても、それまで会社と折半だった保険料は全部負担することになります。これも一年分程度みておきたいところです。

 

転職活動が一定期間継続する場合は活動に必要な旅費や転職後の転居費用などもできれば辞める前にある程度蓄えておくと万全でしょう。

 

それまでの貯蓄や、退職金がある場合はそれらを利用して上記で見積もった金額を手を付けないように別の新しい銀行口座などへ保全しておくことをお勧めします。

 

未払い請求

 

未払い残業代を請求してみる

 

サービス残業が常態化している職場で、タイムカードや勤務時間の記録等などの証拠がそれなりに入手できる見込みがある場合は未払い残業代を請求してみてもよいと思います。

 

会社と争って残業代を請求するなんて、おおごとに思えますが案外そうでもありません。

 

残業代請求を扱う大規模弁護士事務所は主要都市に必ずあります。そのような事務所はおびただしい数の請求を扱っていますので大抵のパターンとその対応は熟知していて機械的に事案を効率的に処理していきます。費用も明瞭で説明を受ければ理解できます。転職先にバレることも通常ありませんし、そもそも正当な権利の実現ですから何ら後ろめたいことはありません。

 

ただ、一点注意したいのが、会社と争って、解決しないで裁判まで行ってしまったとき、会社から法廷で執拗に攻撃される可能性が高いということです。

 

在職中の勤務態度や非違行為、成績不良、その他些細な事柄も含めてあることないこと反論・攻撃を受けることがあります。その攻撃に耐えられるだけの自信とメンタルの強さがあればとことん争ってもいいでしょう。

 

ハラスメント関係で争うのはやや難易度が高くなります。音声録音や記録などの客観的な証拠が揃っている場合はともかく、通常はそうではありません。ハラスメントで恨みがある場合は、残業代請求に問題をすり替えて争うのが現実的でしょう。

 

会社と争うことは基本的に勧めませんが、在職時に恨みが相当程度蓄積していたのなら、争うのは退職直後のこのチャンスしかない、というの転職におけるミスマッチとリスクも事実です。

 

若い世代は勢いに任せて、後先考えず辞めてしまったり、会社の都合よい辞め方を押し付けられることも多く、後になって後悔しがちです。40代の退職は、若い人の退職とは違って、多少でも将来なるべく後悔することのない辞め方を考えてみてもいいでしょう。

 

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