マーケッター(マーケティングスタッフ)が何をしているか10人に聞いてみましょう。
10通りの答えが返ってくると思います。
商品企画、市場調査、プロダクトマーケティング、デジタルマーケティング、マーケティングコマーシャル等々。
例えば一言に商品企画といっても、企業の取り扱い品目次第で業務は全く異なってきます。
家電メーカーの商品企画なら基本的に開発者と消費者の間でニーズを製品化するまでのプランを企画することでしょう。
しかし、無形商材の商品企画なら技術や成果物ありきのシーズを提供するまでを企画することになります。
例えば、光回線のインフラ整備が出来た結果、沖縄でコールセンターが多数作られましたよね。
光インフラが先に技術として完成し、失業率が高く人件費の安い沖縄でコールセンターを作るというシーズ型の提案です。
前者では徹底した市場調査が必要になるでしょうし、後者ではAIDMAを自ら提起する業務になるでしょう。
このようにマーケッターとは所属する企業によって全く異なる業務に従事しますので、必要なスキルも当然、異なります。
極端なお話をすると、アメリカGE社のマーケティング担当者がドイツ・シーメンス社に転職したとします。
所属業界・取り扱い品目とも共通部分が多い両社ですが、マーケッターの業務や役割はかなり異なります。
共通するのは語学力とパワポ、学会企画くらいでしょうか。
それらは両社の入り口に過ぎませんので、基本的には別の業務に従事すると言って良いでしょう。
さて、40代の皆さんにとってマーケッターの転職はどう映りますか?
簡単な転職でないことは容易に想像出来るでしょう。
実はマーケッターの転職市場は急激に変化してるようです。
近年、デジタルデバイスの普及に伴いIoTとビジネスの融合によるデジタルマーケティングの必要度が高まっていました。
SNS全盛の今、どのように購買者を取り込むかがBtoCの市場では大きな関心事項と化していました。
ところが、コロナの影響でBtoBの市場でも顧客対応に制限を受けることが増え、非常に大きな関心事項となったのです。
従来より必要性を叫ばれていたとはいえ、実務レベルでデジタルマーケティングを学んだ人は40代ではほとんどいないでしょう。
しかし、40代となると年齢的にはマネージャークラスの転職となるでしょうし、デジタルマーケティングやwebマーケティングについての経験や知見を求められる時代になりました。
一方で面接する側もデジタルマーケティングを良く理解していないという事実もあります。
なぜなら、前述の通りですが元来、マーケティングの業務そのものが企業や業界によって異なる為、デジタルマーケティングも同様に企業毎に異なると考えられるからです。
一例を挙げます。
アメリカの大学でマーケティングを専攻し、そのままアメリカの企業でマーケッターとして大規模なデジタルでの集客ツールの企画と分析に従事した人がいます。
彼は家庭の事情で日本に帰国しマーケッターとして内資企業に転職を目指しましたが、面接でちんぷんかんぷんな質問を受け、ことごとく落ちたそうです。
彼のマーケッターとしてのスキルが非常に高いのは間違いないのですが、彼を面接する人はこう思ったのはないでしょうか?
- 自分の立場を脅かす可能性がある
- 彼の能力を評価する物差しを持っていない
- 採用理由が説明できない
なんとも不幸な話です。
40代の転職者に高いハードルを設定しておきながら、本当にそのスキルを持っている人には及び腰になる。
採用する側もかなり難しい選択をしているのです。
とはいえ、面接ではそこそこのスキルを要求されますので、結果的に入社する人は最初から高いハードルを課されるのです。
もともと社内でマーケッターって何をしているか分からないと言われますが、コロナを機に更に理解されにくい職種になろうとしているのです。
企業毎に異なる業務、定義の曖昧なマーケッターの職務、そして定義すら確立していないデジタルマーケティング。
20代、30代では新しい職務への挑戦でしたが、40代ではそうもいきません。
現在、40代のマーケッターはマーケティングの歴史上、谷間の世代かも知れませんね。
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