私は大学を卒業した後、日本の大手銀行に就職しました。法人営業部門に在籍し、東証一部上場企業を含む大手企業を担当し、海外支店にも勤務しました。
海外支店の勤務から帰国して少し経ったタイミングで外資系の銀行に転職しました。34歳でした。
転職しようと思ったきっかけ
転職しようと思ったのは、以前勤めていた会社に不満があったからではありません。労働時間はとても長く厳しい会社でしたが、正直、自分には合っていたと思います。
仕事面では、法人営業以外にもストラクチャードファイナンスや企画、投資など様々な分野の業務に従事し、やりがいのある職場でした。
しかし、海外支店に勤務した後、日系企業の非合理的な面が目をつくようになり、一度外の景色を見てみたくなったのが理由です。
5時過ぎにほとんどの現地職員が帰っていく、駐在員がそのフォローをする、という状況を見ると、やはり日本の働き方というのは少しおかしいのではないか、と思わざるを得なかったのです。
そのような背景から、転職活動は外資系だけに絞りました。
転職エージェントとのやり取り
転職にあたり、まずは転職サイトに登録をしました。私が使ったのは大手転職サイト1つだけです。
サイトに情報を登録すると、いくつかのエージェントからダイレクトメールが来ました。数日以内に10通前後が届いたと記憶しています。まずはその転職エージェントと会うことから始めました。
会ってみるといろんな人がいて、聞いたことのある転職会社もいれば、個人事務所の人も多くいました。とくに「私は〇〇会社の人事部とは懇意で、私しか持っていない案件がある」という属人的な関係をアピールする方が多かったです。本当かどうかは分かりませんが。
私は「外資系」というキーワードのみを軸として転職活動をしていたので、銀行以外にもアセットマネジメント会社やコンサルなどいくつか他の業種も受けていました。在日代表との最終面談までポジティブに終わったところもいくつかあります。
面談で苦労したこと
履歴書・CV(英語の職務経歴書)を送り面談が決まった後、一番苦労したのは面談の調整です。私は外に出る仕事ではなかったので、日中の時間を使うのが難しく、ランチタイムや仕事の後を使っていました。特に夏場は上着を着てランチに行くのはおかしいので、面談相手に「上着なしネクタイなし」であらかじめお願いをしていました。
在日代表などよほど偉い人でない限り断られませんでした。
また、できる限り会社に近いところ(喫茶店やレストランなど)でお願いしていました。
先方もこちらが会社にバレないように活動したい事は理解しているので、快く応じてくれた先が多かったです。この辺りはエージェントの差配が大きいという印象です(面談はエージェント経由で入れますので、こちらの要望はエージェントに伝えます)。
面談回数はほとんどが3回程度でした(採用担当、採用されるラインのトップ、在日代表)。
ちなみに、CVは転職をしたことのある先輩からもらいましたが、形式は決まっているので、神経質になる必要はありません。初めてだったのでエージェントにも見てもらいましたが、細かいアドバイス(形式面)のコメントだけでした。
ただ、1つだけ苦労したのは、過去の営業成績です。具体的な成果・数字を記載した方が良いとエージェントに言われたのですが、さすがに過去何年もの自分の数字は覚えていませんでした。親しい後輩に、理由は伏せながらそれとなく資料をもらった覚えがあります。
外資系の採用方法の特徴
実際に受けているときはあまりピンと来ていなかったのですが、入ってから分かったことがあります。
それは、外資系企業はすぐに採用しなくてもエージェントを通じて将来採用するかもしれないポジションのために転職活動者と会うことがあるということです。
ポジションがないと採用できないのですが、例えば、今働いている人のクビを切りに動いている場合、クビになるタイミングを見越して有望な候補者と早めに接触するということがあります。
私も、ある外資系銀行で在日代表の面談まで終わった後、数ヶ月「後日連絡します」という曖昧な状況にあったのですが、これもポジションの状況見ながら先方が調整していたのだと思います。
そういう候補者を数ヶ月から長い場合は1年前後にわたってつなぎ止めておきながら、可能な限り幅広い候補者を確保しています。
外資系金融への転職成功
結果的に10社前後受けました。履歴書やCVは使いまわしなので、準備で苦労したということはありません。いろんな職種の方との面談は、楽しく、刺激を受けました。
今、働いている会社は、3回の面談で終わりました。チーム員、チーム長、在日代表です。チーム員、チーム長には近くのレストランまで来ていただき、ランチを食べながら話をしました。
能力や実績はもちろんですが、少数で業務を行う外資系なので、すでに働いている人たちとの協調性、簡単に言えば「合う・合わない」を重視するそうです。
在日代表との面談は、さすがに会社だったので午後休をとって臨みました。未だに、会社の近くの喫茶店で雨を見ながら面談の準備していたことは鮮明に記憶に残っています。というのも、在日代表との面談は外国人で英語だったので。それまでの日本人はすべて日本語でしたから、想定問答中をいくつか用意して臨みました。
転職活動を振り返ってみて
初めての転職だったので、あっという間でした。活動していたのは3カ月ちょっとです。結果としていい転職ができたと思っています。給料は数百万円上がり、労働時間は激減しました。今は6時以降に働くことは滅多にありません。
改めて振り返って、また転職活動をするとすれば、次の3点に気をつけると思います。
まずはエージェントとの付き合い方。
エージェントはピンからキリまでいるということを理解した上で、必要なエージェントとだけ付き合うことです。
というのも、同じ会社には同じエージェントからしか応募できません。一度、あるエージェント経由で申し込んだ際、数週間経っても連絡がなく、結果、何の反応もなく終わりました。
その後、他のエージェントと会って同じ会社の同じ案件を紹介されたのですが、すでに他のエージェント経由で申し込んでいたので改めて申し込むことができませんでした。
今から思えば、最初に申し込んだ時にお願いしたエージェントは対応がいまいちでした。しかし、転職経験がない私はいわれるがまま任せてしまったのです。自分が違和感を感じるようなエージェントと付き合う必要はありません。
2つ目は、転職活動期間です。前述の通り、外資系はすぐに転職できなくても、今後空くかもしれないポジションの採用を非公開で始めているケースがあります。その場合は、限られたエージェントしか情報持ちません。また期間も長引きます。
よって、今すぐ転職する気がなくても、転職エージェントと情報交換をしつつ、自分が転職したい業界の情報集め、必要に応じてその会社の人たちと会っておくというのが大事になってきます。
転職はタイミングが全てですが、その機会を最大化するためにも日頃からの地道な活動が大事だと思います。
3つ目は過去の成績。前にも述べましたが、転職活動では最も重要なアピールポイントの1つです。今の会社に入ってから、毎年の営業成績や自分が工夫したポイントなど次の転職活動で使えそうなネタを常に仕込んで、ノートにメモしています。
以上が、私の転職活動のまとめです。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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