会社で年下の人と働くことが多くなり、そんな彼らとどう接すればいいか、のー天気であまり考えない方ではあるけど、多様な価値観を持った若手が増えていることもあり、少しばかり戸惑う時もある。そんな40代の人にぴったりの本を見つけたのでご紹介。
会社人生を後悔しない40代からの仕事術という本がそれ。
法政大学大学院教授の石山恒貴さんと人材サービスのパーソルが設けている研究機関であるパーソル総合研究所の共著だとのこと。
日本の40代・50代のミドルシニア期のビジネスマンが抱くもやもやや停滞感には日本の大企業特有の構造的な理由があるとし、それを「2つの谷底」によるものだとしている。
第一の谷は44才から45才ほどのところに来る昇進の罠によるものであり、第二の谷は50歳から50歳位のポストオフ(役職定年)の影響によるものであるとのこと。
そうした谷底の影響を受けつつも、うまくいっている人はどうそれを回避しているのか、うまくいってない人はどこでつまずいているのかを5000人弱の人々にアンケートを取り、データを使って考察を加えているものだ。
本書で想定されているようなミドルを憂鬱にする内容が必ずしも起きるということではないと思うが、40代・50代が会社の人事等に関連して陥りがちな状況を知りそれに対して早めに心構えをしておくのは意味のあることだろうと思う。
本書によるとうまくいってる人の行動特性として自走力ということがあり、5つのキーワードで纏められる(頭文字を取って”PEDAL”)とのこと。それぞれの項目についてイメージしやすいようにデータを伴ってあるべき姿が書かれている。
1.まずやってみる Proactive
2.仕事を意味づける Explore
3.年下と上手くやる Diversity
4.居場所をつくる Associate
5.学びを活かす Learn
そしてこれに加えて必要なのがリアルを見通す力 (RCP)だとのこと。
もう40代に入っている人間としてはできれば直視したくない内容も書かれているのだが、自分の今の境遇に思いを馳せたり、今後どう過ごしていけばだったり、色々と考えさせられる内容になっている。
本書によれば自分だけは大丈夫だろうという考えは裏切られることが多いのだとのこと。
難しいことではあるが、自分の予想される40代以降の将来像を頭に描いた上で、充実人生をどう送るか、出世出来なかった場合等も含めて現実的に考えておく必要があるということだろう。
ミドル・シニアが日々の仕事の仕方を客観的なデータを踏まえてとらえ直すのにちょうどいい本だと思う。
210612 追記
久しぶりにじっくり読んでみた。
P67のミドル・シニアの行動診断をやってみた結果は以下だった。
残念ながら伸び悩みタイプに近いかも(能力や経験はあるのに、職場や上司への不満に足を引っ張られている可能性のある人、とのこと。全体のなかでも最も大きなウエイトで約40%の人が該当するらしい。)。
P 16点 E 15点 D 11点 A 13点 L 13点 いずれも20点中
この本は40代の平凡な会社員が会社でうまくやっていくために頭に入れておきたい考察が詰まっている。色んな思いが交錯する会社員生活で大きな間違いを起こさぬように手元において何度も読み返したい一冊だ。
今日の一文:
P96 裁量がないから変化が作れないのではなく、自ら小さな変化を積み重ねていくことで、徐々に大きな裁量を得ていく
■会社人生を後悔しない40代からの仕事術 目次
0 ミドル・シニアの憂鬱
1 まずやってみる
2 仕事を意味づける
3 年下とうまくやる
4 居場所をつくる
5 学びを活かす
6 「リアル」を見通す
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