著者名を見たら、即買い状態になっている山口周さんの著書仕事選びのアートとサイエンス 改訂『転職は寝て待て』を手に取ってみました(著者名買いという意味では(今の所佐藤優さんの本なんかもそうなんですが、、、。)。
今回も非常に参考になりました。
関連リンク(兄弟サイト)山口周 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか 感想
山口さんは、なんというか凄く今の時代にミートしたコンテンツを提供されている方だとつくづく思います。
本書のテーマは冒頭に宣言されています。それは今の時代、そしてこれからの時代、仕事選びを予定調和させることはできない。自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、じっくりくるものに落ち着くしかない、というものです。
”なりたい自分の理想像”からはじめるのではなく、”自分がやりたいこと”からキャリアを積み上げることの重要性が語られています。その中で、仕事を通じて幸せになるには?という重要なテーマに関しての言及もありました。
現代に生きる我々のキャリア作りの前提条件を明らかにしてくれるとともに、自分の天職をどう見つけるか、材料を与えてくれる本です。
以下、マークした部分を簡単に抜き書きします。
P24
・クランボルツの調査結果
キャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」
P50
キャリアにおいてもパッシブセイフティ(事故やトラブルが起こってしまった際に、人体などへの被害を最小限にとどめるための技術)の考え方を取り入れておく必要がある
P60
学生に「自分が生涯を過ごす会社を選べ」と突き付けて合理的な選択をさせる、というのは、難しいのを通りこして無茶と言うべき
P66
終身雇用制度は太平洋戦争の忘れ形見とも言うべきもので、日本古来の伝統とは全く関係がありません
P98
「自分は何になりたいか」ではなく「自分は何がやりたいか」を問え
P107
・バックキャスティング型キャリアの危険性
常に現実の自分とゴールイメージとのギャップに悩み、現在の自分が獲得している、または獲得しつつある小さな幸せを含めて全否定してしまう可能性がある
P113
自分が何かの意思決定をしようとしているとき、その選択は本当に内発的な動機なのかどうか、を今一度考えてみる、というのも、転職を検討する際の大事なポイント
P114
・キャリア・アンカー
個人が自らのキャリアを選択する際に、最も大切、あるいはどうしても犠牲にしたくない価値観や欲求のこと
P115
ハプスタンス・セオリーに則ってキャリア形成するためには、機会を増やすだけなく、その機会を掴むための能力を培っておくことが必要
P138
キャリアの転機はそれほど親しくない人からもたらされる
*”元同僚”といったレベルの人々を想定
P180
・逃げの転職は6ヶ月待て
時間を経ると「平均への回帰」によって自然に改善してしまう可能性がある
P191
自由さを獲得したければ不自由な期間を過ごさねばならない
P198
・「攻めの転職」の留意点
「何を得られるかではなく、何を失うかをちゃんと考える」
P218
給料の額よりも、本当に「労働」させてくれるところを選ぶ、というのが、人生を幸福に歩むためのポイント
この他、コンサルと広告代理店の仕事の仕方の違いなどの記述も、私自身少しどちらの業界も経験していたので参考になりました。
電通やボストンコンサルティング、コーン・フェリー、そして独立と天職探しをされてきた筆者だけあり、実体験からくる説得力がありました。
最後の部分では、自分自身を、自分のキャリアを大切にせよ、という筆者のメッセージが強く心に残った次第です。
山口さんのほかの著作と一緒に何度も味わいたい、とてもいい本でした。
仕事選びのアートとサイエンス目次
第1章 転職はなすべきか?なさざるべきか?
第2章 従来のキャリア戦略の問題
第3章 「いい偶然」を呼び込むには?
第4章 「攻め」の転職と「逃げ」の転職
第5章 転職後の心の変化への対処
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