特にここ数年は、40代の転職者へのニーズが高まっています。
昭和の時代と違って転職に対するネガティブなイメージも薄まっていますし、人材を求める企業と新しい職場を求める人材、いわゆる需要と供給のバランスがとれてきた時代に変わってきたこともあります。
上手くいけば、双方にメリットのある転職。しかし、採用担当者側から見ると、スキルだけを見ているわけではありません。
むしろ、スキルは応募する条件の1つにしか過ぎないと考えている採用担当者も多くいます。その理由は、どういった部分にあるのでしょうか?
わかりやすく例えれば、応募の条件に、「熟練したエクセルのスキル」があったとします。企業はもちろん、そのスキルを使い、すぐに働いてもらいたい人物を探しています。
ただし、採用の決め手となるのは、求められるスキルである、エクセルの熟練度だけではありません。
40代の転職は、即戦力ニーズです。つまり、エクセルを扱うことは目的ではなく、手段に過ぎません。
そのスキルを使って、いかに効率よく業務を進めることができるか?また、業務そのものへの理解スキルはあるのか、さらに踏み込んで言えば、企業や顧客のニーズにあった仕事ができるのかどうかといった点を、最も重要しているのです。
ここで、重要となるのが、コミュニケーション能力です。
コニュニケーション能力という言葉は使われ過ぎて、結局のところ、明確にされていないように思えます。それでは、40代の即戦力中途採用で転職者を求める場合で考えましょう。
転職者を募集する企業の視点で見ると、「あなたがその職場で働くことができるか」を必ずイメージして、採用担当者は面接をします。既に具体的な部署や上司が決まっている場合も多くあります。
そうした場合、「配属先の部署や上司と上手くやっていけるかどうか」という点、もっと大きく言えば、「働いてもらう中で、自社の業績向上に役立つことができるか」といった点を常に頭に入れながら面接をするのです。
例えば、面接では、必ず質疑応答があります。ここで求められるコミュニケーション能力とは何かを具体的にあげてみましょう。
採用面接の場面で、意外と軽視されがちなのが、「相手の質問を良く聴くこと」なのです。
多くの場合、求職者は、「自分が話したいこと」に重点を置き、アピールをします。
もちろん、適度なアピールは必要なのですが、まずは、質問を良く聴き、意図を理解すること。
それに対して、明確、かつ過不足なく答えていけるかどうかを判断します。
それはつまり、実際の仕事に就いたとき、円滑に進められるかどうかという点を判断基準の1つにしていることが理由の1つなのです。
また、採用面接では、必ず尋ねられるのが、志望理由と退職理由です。
これも、定番なのですが、実際に満足する内容になっているかと言えば、そうではない場合が多いのです。
この満足する内容とは、「相手が納得する内容」であることが、大切になります。
採用面接で言えば、採用担当者が、「なるほど」と頷いてくれる内容になっているかに尽きます。
採用担当者が納得していないケースが多いと書きましたが、この大きな理由は、志望者自らの視点でしか志望書類に書かれていない、そして、その視点のまま面接で話されている場合が多いということです。
例を挙げれば、「自分は成果を出したのに会社は評価してくれなかった」であるとか、「上司が自分のことだけ、見下した対応をして働きにくい」などです。
こういった傾向が強いと、採用担当者は、「あぁ、自分目線でしか、物事を考えられない思考なのだな」と瞬時に感じ取ってしまうのです。
さて、ここで勘違いが生まれがちなことを1点あげてみましょう。
それは、担当者や採用側企業側の好みに、合わせなければならないのかという点です。
答えは、半分がイエスであり、半分がノーです。
イエスの部分は、企業の理念や経営方針、社風など、自分が働くことで、自分も、そして企業も双方にメリットがあると思える場合です。
転職を準備する際には、企業研究をされると思います。
その段階で、自分の価値観と照らし合わせて、合致するようであれば、合わせるのではなく、自然と合ってくるとも言えます。
そして、それは、入社以降の働き方や満足度にもつながるのです。
一方で、ノーの場合は、どういったことでしょう。
これは、「自分が無理やり合わせる」ということです。
一例を挙げますと、「業績次第で若いうちから続々と昇進」とキャッチフレーズを掲げている会社だったとします。
その社風に自分が合っていれば問題はありません。
一方で業務内容や求められるスキルは自分に合っているものの、仕事は長い目でじっくり取り組みたいと思っている場合はどうでしょう?
例え、その場で相手の企業側、採用担当者に合わせて、無事合格、採用となった場合でも、入社後、仕事に満足にして、十分に働きがいを感じることができるでしょうか?
ですから、自分を合わせるよりも、自分に合っているかどうかリサーチすることが、双方にとっても好ましいこととなるのです。
いかがでしょうか?
難しく思えるかもしれませんが、要約するとポイントは1つです。
それは、「常に自分の目線と相手の目線をバランス良く見ることができる意識や姿勢でいられるかどうか」です。
実は、この考え方は、転職をすべきかどうか悩んでいるときに、現在の職場で考えなければならない視点でもあります。
まずは、いま働いている自分自身の成果、そして働き方について、客観的な視点で洗い出してみましょう。自身で洗い出しが難しい場合は、信頼できる同僚や先輩に頼んでも構いません。
それが、転職をするための客観的な理由になるかもしれませんし、現在、自分が意識を変え、行動することで、現時点でも、十分に満足できる働き方のヒントになるかもしれません。
転職を成功させるには、「自分を知ること」と良く言われます。
しかし、自分のことは、実際のところ、自分ではわからないものです。
日常的に上司から受ける評価だけでなく、客観的な評価を受けることで、あらためて自分自身の価値を知ることができます。
そうした行動により、あなたの意識していない改善点や、強みが出てくることも多いのです。
このようになれば、実際の転職活動においても、自然と成功への道が開けると思います。
■ミドル向けおすすめサービス
次はこちらもどうぞ
Twitterでも継続的に情報発信中(アカウント新設しました。)。
是非フォローをお願いします!
はてな読者登録も是非