大手企業や外資系企業の求人状況は完全に企業側の買い手市場であり、転職者にとって競争率が高い状況です。
一方で、ベンチャー企業にとっては絶好の採用タイミングと言えるでしょう。
コロナ禍の現在では、今までエントリーすらして貰えなかったキャリアの持ち主が応募して来る時代なのですから。
そして、転職者側にとってはベンチャー企業への転職は大きな覚悟が必要になります。
まず、当然ですが大手企業に比べると年収はかなり下がります。
良くて2-3割減、厳しい時は4割以上減となるでしょう。
もともと、ベンチャー企業自体が若手主体の組織であることから高額な給与テーブルを用意していないことがあります。
同時に福利厚生も発展途上と言えるでしょうし、給与以外にも生活への影響はあると考えた方が良いでしょう。
大企業並みの給与テーブルと福利厚生を用意すると、収益構造自体が変わりかねないので、サラリーの高い人材は雇えなかったのです。
それが、コロナショックで大手企業のスキルに富んだ人材が溢れてきたので、絶好の機会となっているのです。
次に注意すべきは社内の制度・仕組みが未熟であることでしょう。
かなりフラストレーションが貯まることを覚悟するべきでしょう。
コロナ前に集められた人材は、若手で薄給或いは中年でスキルが不十分な人が集められているケースが多い為、そもそも制度設計を出来る人がいなかったのです。
ここで、ベンチャー企業の未整備な企業風土について少し掘り下げてみたいと思います。
ベンチャー企業の場合、制度に幅を持たせて自由度が高い社風と言われ、何だか聞こえが良いのですが、実際は制度設計が出来ていないだけということが良くあります。
また、集められた社員たちも経験が不十分な為、問題があることを認識していても解決することが出来ないまま、困ったことは社長に指示を仰ぎ対処するのです。
ベンチャー企業で一定の規模になると創業社長はスーパーマンさながらに精力的ですので、広く指示を出せる人が多くいます。
規模が50人未満ならそれでも良いのですが、例えば100人を超える規模になるとさすがに権限の委譲(デリゲーション)が必要になります。
ところが、そこに落とし穴があります。
権限の委譲を進めるに当たり、社長は気づいていないのですが、部下は知識・経験とも不十分で、指示が無ければ動けないのです…これが管理職であったりしますので大変です。
そして、業務のデリゲーションが始まり、社長の指示の無い中で、分からない課題に直面する日々が始まります。
そして、分からないことを調べて解決する習慣が無い彼らは、誰かに押し付けたり、知ったかぶりをするという愚行に走ることが出てきます。
社長の目が届かないので、ばれないということもありますが、管理職がこの状態だとスタッフも育たないのは当然です。
ベンチャー企業の管理職は前職が中規模以上の会社でのキャリアを経ている人が多いのですが、多くの場合、相当にクセのある人が集まっています。
コロナ前にベンチャー企業に来た40代以上の人は、大手企業では馴染めず転職を繰り返した人が多く、キャラクターは個性的と言えます。
この点は本当に注意が必要です。
コロナ禍であり、大手企業出身の40代の転職活動で、ベンチャー企業の求人は多く見つかると思います。
もちろん、ベンチャー企業への転職は初めての経験でしょうから覚悟をしておきましょう。
相当、個性的な人が集まっていて、社内の制度や仕組みが出来ていないまま放置してきた可能性が高いことを。
そのせいか、ベンチャー企業に転職してくる40代は数か月以内で退職する人が一定割合で存在します。
あまりにもいい加減に映るでしょうし、逃げ得の如く無責任な人材もたくさんいます。
これから転職先の候補として考える場合、ベンチャー企業に対して抱く自由闊達で成長を続けるイメージは間違いではないかも知れません。
しかし、事実として大手企業での経験が不十分な若手と、大手企業で馴染めなかったミドルが混在している点を認識しておくべきでしょう。
歴史ある大手企業から見るとベンチャー企業の良さが目立っていたことでしょう。
しかし、中に入ると大手企業の確立された制度や仕組みが羨ましくなりますよ。
どちらも無いものねだりということになってしまいますが…
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