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出版社からベンチャーへの転職 〜リスクとリターンがキーワード〜

 

ベンチャーのオフィスのひとこま

 

 

中堅出版社を退職した理由

編集職として、中堅出版社で12年間働いてきました。

 

退職理由はいろいろありますが、もっとも大きな理由は紙媒体の限界によるものです。喫茶店でも電車の中でも、もう紙媒体で雑誌・書籍を読んでいる人はいません。見ているのはスマホの画面ばかりです。出版社で紙媒体の編集者として未来を編むことに限界を感じていたのです。

 

働いていた出版社は、社員数約200人と超大手ではないものの出版社としてはそれなりの規模の会社でした。しかし、それなりの規模であったために、会社のフットワークが軽いとは言えません。月に一回の定例会議、対面による会議、融通の効かない出勤制度など、リモートワーク全盛の世の中に適した働き方とは到底言えないものでした。

 

できれば、規模は小さくても自分の実力を自由に試したい!これまでの働き方にとらわれず働きたい!そう思った私が転職先に選んだのは、規模の小さな会社でした。いわゆるベンチャー企業です。

 

社員数5人の新天地

 新しい勤務先に選んだのは、ウェブサービスを主とする会社でした。リスティング広告に特化した会社で、社員の数は5人だけ。営業2名に事務が1人、リスティング広告専任の社員が1人とすべての業務を統括する社長1人の創業から5年目の会社です。簡単に言うと、大手企業から独立した社長が一人で起こしたワンマン体勢の会社です。

 

では、この会社で私ができることはなんなのか?それは魅力的なテキストを書くことでした。ワンマン社長の話によると、リスティング広告は契約を取ることができれば長期に渡って仕事を受注できるが、いかんせん利益率が少ないとのこと。それならば、リスティング広告を受注している会社に、SEO対策として検索サイトに好影響を与えるようなテキストをウェブ上で連載し、広告とは別の売り上げを確保することが求められたのです。

 

これまで培ってきた編集職の経験から、テキストを書くのは簡単でした。難しいのは、SEO対策に好影響を与えるようなテキストの作成ですが、結果から言うとそれほど難しいものではなかったと思います。要は、人の興味を引く記事を書けばよいだけです。

 

私は同業他社を研究し、検索順位で上位の記事をブラッシュアップした記事を書き上げ、クライアントにテキストを納品し続けました。テキストは好評で、SEOの仕組みはよく分かりませんが、検索順位も伸びていきました。このあたりは経験が生きていたようです。

 

転職から3ヶ月の気付き

さて、3ヶ月ほどして私はひとつの事実に気づきました。それは、ベンチャー企業では一社あたりの利益率が異様に高いのです。異様というと語弊を生むかもしれませんので訂正しますが、前に働いていた中堅出版社に比べて利益として計上される率が異様に高かったのです。

 

なぜ利益率が高いのかというと、答えは簡単で、ベンチャー企業では固定費が異様に安かったからです。

 

これまで働いていた中堅出版社では、先に書いたとおり社員数は約200人でした。編集職以外にも営業・事務・総務などに多くの社員が在籍するため、人件費もそれなりの金額がかかっていましたし、会社が入る建物の固定費もそれなりの家賃がかかっていたようです。そして何より、働かない社員も多く在籍していたのです。彼らの給料を保証するために、売り上げの一部が彼らに使われ、利益が圧迫されていたのです。

 

結果、編集職が売れる雑誌・書籍を編んだところで、それらに売り上げの大半を消費され、利益として残る金額が少なくなっていたのです。

 

これは私の給料にも影響を及ぼしていました。つまり、編集者が売れる雑誌・書籍を編んでいても、固定費に売り上げを割かれて手元の残る利益が少なかったということです。もちろん私の賞与にも影響していました。

 

給与・賞与がアップ!

しかし、ベンチャー企業では、売り上げをあげれば、その多くが利益となり、結果的に自分の給与・賞与が大きくあがるということが分かったのです。

 

ただし、これは諸刃の剣でもありました。それは、売り上げをあげなかった場合、赤字になる率が大幅に上がるのです。これは補填してくれる他の部署、もしくは会社としての貯蓄が少ないことが影響しています。自分の売り上げが、会社全体の命運を左右しているのです。

 

編集職といえば、会社の中でもかなり自由を与えられている仕事と思っていましたが、それなりの規模の会社であれば、やはり会社に守られていたのだということを実感いたしました。極端な話、例えば私の売り上げが、たった3ヶ月ほど低迷すれば、会社は存続できなくなるのです。

 

ベンチャー企業を、「吹けば飛ぶ」と例えることもありますが、それは本当のことでした。常に売り上げを上げていかなければならないのです。

 

社員5人ではありますが、同じ会社に属する顔が見える仲間たちを路頭に迷わせるわけにはいきません。私はこれまで以上に身が引き締まる思いで仕事に取り組んでいました。

 

まとめ

ベンチャー企業に転職して1年が経ったころ、私は毎月好調とまではいかないまでも、なんとか売り上げを上げ続け、会社の利益を大きく上げることに貢献できました。

 

その結果、私の年収は3倍以上の額面となりました。満足はしていますが、これが永続的に続くものではないと考えると、気が重くなります。とりあえずは、緊張感を緩めることなく走り続けていきます。

 



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