転職のきっかけ
新卒で入社した旅行会社に12年以上在籍し、事務・受付・企画から接客・添乗サービスにわたる幅広い業務を経験し、また後輩社員やアルバイトなど多くのスタッフの教育係も努めてきました。
様々な仕事を一通りやりきったという思いと、経営方針転換等によりやりがいを感じられなくなってきたことが転職を考え始めたきっかけでした。
コロナにより観光業界が大打撃を受けたこと自体が直接の原因ではありませんが、休業状態に陥ったことで、じっくり考える時間を持てたという点は大きなきっかけとなりました。
経験を活かしたいという思いと、感じた「縁」
転職エージェント等の勧めにより、いろんな事務職にも応募しましたが、ことごとく書類選考落ち。
コロナ禍で大変な業界事情は百も承知でしたが、やはり同様のサービス業でお客様が喜ばれる顔を直接見れる仕事がしたいという気持ちがあった私は、たまたま見つけたとあるホテルの求人情報に、「ここなら自分の経験を活かして、かつお客様と触れ合ってやりがいを感じることができる」と飛びつきました。
立地面・顧客層など好条件が重なり、コロナの状況下でもそこまでの大打撃は受けておらず、その点も魅力に感じました。
選考はとんとん拍子に進み、求人情報を見つけてから1週間後には早くも内定通知をいただきました。自分の意気込みも大きかったため、相当の「縁」を感じ、すぐに内定を受諾し、前会社に退職届を出しました。
コロナで開店休業状態だった状況に加え、有休もすべて消化し、長い休養期間をもらって、「転職に成功した」という自負をもって意気込んでホテルへ入社しました。
何歳であっても新米。職場環境は重要。
面接時に「中途採用の人もかなり多く、社員の平均年齢はあなたとちょうど同じ位で同年代の人が多い」と聞いて安心しておりましたが、いざ入ってみると、たしかに同年代の人は多くいましたが、ほぼ役職のある人ばかり。
私より若い人たちが圧倒的に多く(中には10代の先輩社員も)、20代の若いスタッフが私を教育してくれました。
ある程度は覚悟していたつもりでしたが、「これまでの経験を活かして頑張れる」と張り切っていた私にとっては、覚えることが多いこと・体力的にハードであること以上に、その環境が精神的に厳しいものでした。
実際に中途採用の人は多くおりましたが、20代後半~30代前半での転職組が多い印象で、30代後半~40代での転職組は稀なようで、管理職クラスではない現場スタッフとしての採用の場合、やはり年齢については予め把握すること・覚悟することが必要です。
面接担当者=入社後の教育係、ではなかった
当該ホテルの場合、書類選考通過後、面接は一度だけでした。しかも面接官=ホテルのトップの人物でした。
面接を受けた印象として、採用前提で進められている、という感じでした。もちろんその時の自分にとっては大変ありがたいことでしたが。書類選考にて私の経歴や取得していた資格を大いに評価してくれたのでしょう。
ただ、実際に入社して仕事をしてみると、その面接担当者と話をする機会などほぼなく、私を教育してくれるのは現場のスタッフです。私がどのような思いをもってこのホテルへ入社したかなど、これっぽっちも興味がない雰囲気でした。
人間関係・就労形態・教育体制・仕事内容…など、自分が思い描いていたイメージとのギャップがあまりに大きく、試用期間終了を待たずして退職する決断に至りました。
受け身にならず、こちら側も企業を見極める
コロナ禍で失業が増え平時に比べ求職者が多いこと、そもそも経営悪化により新しい求人を募集する業界も限られること等の理由から、このご時世に転職活動は大変だ、会社を辞めるなら正社員での転職先がきちんと決まってからだ、と周囲からも言われていたこともあり、納得できる企業に正社員として就職を決めることに自分自身も躍起になっていた部分もありました。
実際に、面接まで進んだ会社は当該ホテルのみで、「縁」を感じたこともあり、「人生の一大決心」で転職を決意しましたが、結局はほどなくして正社員どころか、無職状態に。
転職活動では、もちろん企業側が我々を選考しているわけですが、我々もこれから勤める企業をしっかり見極める場であると実感しました。
大学生の就職活動のように、事前に職場訪問等できればベストですが、せめて面接の際に確認しておきたいことはマイナス面も含めてしっかり質問し、可能であれば実際に職場の雰囲気を感じることができればよかったと後悔しています。
同時期に転職活動をしていた友人が、面接時に給与面での交渉をしたという話を聞き驚いた記憶がありますが、自分が納得するまで質問・相談が必要だと今では思っています。
具体的に、ホテルの現場でお客様対応をするスタッフと話をさせてもらうだけでも、入社してからのギャップが少なかったかもしれません。
とくに今回私が経験したように面接が一回だけのケースだと、企業側は書類選考でほぼ絞り込み、採用を期待して面接を実施しているのでしょうから、こちら側も受け身にならずに挑む必要があります。
最後に
前職での経験が長ければ長いほど、そして年齢を重ねていればいるほど、転職は大きな決断で、ましてや昨今の経済状況を鑑みればハードルは高くなります。
今回は私の「転職失敗談」をご紹介させていただきましたが、客観的に学んだことも多く、今後の人生に活かせる経験を得たとプラスに捉え、「転職活動の成功」ではなく「転職の成功」を目指し、目下取り組んでおります。
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